家族心理学 家族の中で起きる「キョウダイ」の使命を知る




あなたには「キョウダイ」がいますか?

長男・長女だったり、末っ子だったり、一人っ子だったり…

家族の形はそれぞれ違います。

その中で親から子どもへの無意識のメッセージがあるのを知っていますか?

全ての家庭に起こるわけではありませんが、多くの家庭で見受けられる現象です。

今回はその現象をまとめてみます。



家族心理学とは




1980年代に発展した比較的新しい分野になります。

「家族」の形はさまざまで、例えば…

・夫婦だけの家族
・母子家庭
・父子家庭
・夫婦の間に子どもがいる
・両親がいない場合の祖父or祖母と子ども
・籍が入っていない(事実婚)で里子をもらう

などなど、色々な形がありますが、一緒に住んでいたら「家族」になると思います。

その家族が直面する問題に焦点を当てたのが「家族心理学」です。

問題というと「悪いもの」に聞こえがちですが、

それは家族の「テーマ」だったり「サイン」だったりします。

例えば…
・思春期
・少年非行
・不登校
・子どもの自立
・夫婦の不仲
・離婚

上記のようなことが「サイン」であり、家族心理学の対象になります。

このような「サイン」が出た場合、当事者本人への心理療法も必要ですが、家族への治療的介入が最も効果的です。

現代家族が直面する危機の克服を目指し、家族の健全的な発達を目指す分野になります。



キョウダイの言い方について




キョウダイを漢字にすると、兄弟・兄妹・姉妹・姉弟があって、すべて「キョウダイ」と読みますね。

そして、その中でも「呼び方」があります。

例えば…3人キョウダイの場合

一番最初に生まれた子どもは「長子(第一子)」

次に生まれた子どもは「中間子(5人兄弟でも真ん中は中間子)」

その次に生まれた子どもは「末っ子」になります。

2人キョウダイであれば「長子」と「末っ子」になります。

あとはキョウダイがいない場合は「一人っ子」と呼ばれます。

次に「キョウダイ」の中で自然に起こる役割について見てみましょう。



長子で多いのは「自分のことよりも人の事」




第一子で生まれたあなた。

最初は両親の愛情をたくさん受けることができ、両親を独り占めできます。

もし祖父・祖母にとって初めての孫であれば、尚更可愛がられることでしょう。

洋服もおもちゃも新品です。

しかし…後に「弟」か「妹」が生まれ、お兄ちゃん・お姉ちゃんになりました。

すると両親は幼い「弟」「妹」に手がかかり、少しずつ相手にされなくなります。

第一子の長男・長女の役割は「子どもでいるな」です。

まだ幼いのに、子どもでいる事が許されなくなります。

母親に家政婦並の扱いを受けたり、自分のことは自分でやらなければなりません。

本当はまだまだ甘えたいのに、それができなくなります。

よく「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい」って言われたことはありませんか?

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になりたくてなったんじゃないのに…」

長子は幼い頃から「我慢」を覚えさせられます。

それでも、なんだかんだ弟・妹のことを気にかけているんです。

それが長子の役割です。

大人になると「しっかり者」だねと言われることも。

そうなると「素直」になることや「甘える」という行為が苦手な「長子」が多いのも特徴です。



中間子は「ほっとかれる子」




第二子で生まれたあなた。

すでに「お兄ちゃん」か「お姉ちゃん」がいます。

そして後に「弟」か「妹」が生まれます。両親の愛情を受けれる期間は短く、年子の「弟」「妹」が生まれたら一瞬でメインが変わります。

中間子の役割は「勝手に育て」です。

メインは上の子か一番下の子になることが多いので、中間子は「自由」で「マイペース」な人が多いです。




末っ子は「親からの依存対象」




末っ子で生まれたあなた。

そんな末っ子は両親からの愛情をたくさん受けれます。

他のキョウダイに比べ、幼い分、優しくされたり甘やかされたりすることが多いかもしれません。

末っ子は上のキョウダイの失敗を見て学ぶので、要領がよく、その場の雰囲気を読むことも得意。

そして「甘え上手」で「ちゃっかり者」

しかし末っ子は可愛がられる分、親から侵入される人が多いという特徴もあります。

末っ子の役割は「子どもでいなさい」です。

何歳になっても子ども扱いされます。

親が依存していることもあるので、30歳、40歳になっても子離れ・親離れできていないケースも。

そして親の老後の面倒を見るのも末っ子が多いと言われています。




番外編「一人っ子」




今までは「キョウダイ」について書いてきましたが、番外編で「一人っ子」の特徴についても書いていこうと思います。

一人っ子は自分の世界を持っています。

幼い頃、遊ぶ相手がいないので一人の世界に入り、様々な役を演じていたのではないでしょうか。

第一子気質もあり、末っ子気質もあります。

そんな一人っ子が「家族療法」だったり、

個人で「心理療法」を受けると、「自尊心」が上がり、物凄く早く回復します。

ずっと孤独だったけど、セラピストが第三者として介入することで、親がおかしいんだと築くからです。




家族の形はそれぞれ




今まで紹介したキョウダイの役割は、すべての家庭がそうなるわけではありません。

健全な家庭で育った場合は、長子でも中間子でも末っ子でも、平等な愛情を注いでくれているでしょう。

もし今まで生きてきた中で不満に思ったこと、我慢してきたことが思い当たるのであれば、

自分がどんな家庭で育ったのか、生育歴を振り返ってみてください。

その中で今まで気付かなかったことが見つかるかもしれませんね。