我が子は発達障害?どのような症状や種類があるの?理解を深めよう

[char no=”5″ char=”困っている主婦”]子どもの発育が他の子よりおそいし、落ち着きがない気がする…これって発達障害なの?[/char]

[char no=”1″ char=”なーさん”]周りの子どもと比べると、何か違う気がする…「もしかして発達に問題があるの?」と不安に思う方もいますよね。今回は「発達障害」についてまとめてみたよ![/char]



発達障害とはどのような人のこと?




発達障害とは・・・?

認知・言語・情緒・行動などの発達に問題があり、何らかの援助を受けないと、日常生活を送るうえで支障がある場合を発達障害といいます。

人は誰もが、得意なことや不得意なことがありますが、発達障害のある人は、得意なこと不得意なことの差が非常に大きかったり、違った物事の感じ方・考え方をすることが多くあります。

そのため、集中や注意の持続ができない、対人関係のすれ違いなど、生活に支障をきたしやすいのです。

本人は悪気がなく行動しているのに、

「衝動的でわがままだ」

「人の話を聞けない変わった人だ」

などと誤解を受けたり、

「本人の努力不足」

「親のしつけの問題」

などと誤った解釈や批判を受けたりすることも少なくありません。

本人と周囲の人がお互いの違いを理解しながら、困難さが起こりにくくなるような環境を調整し、本人の得意な行動や特性を生かした過ごし方ができるような支援が大切です。


「日本発達障害連盟」より、発達障害とは以下を主体としています。

・知的(発達)障害

・脳性麻痺などの生得的運動発達障害(身体障害)

・自閉症

・アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害

・注意欠陥多動性障害(ADHD)、およびその関連障害

・学習障害

・発達性協調運動障害

・発達性言語障害

・てんかん

※視覚障害、聴覚障害および種々の健康障害の発達期に生じる諸問題の一部も含む。


一方、2005年より施行された「発達障害者支援法」では、以下を主体としています。

・自閉症

・アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害

・学習障害

・注意欠陥多動性障害(ADHD)


その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものとしています。

これには「知的障害」が含まれず、法律上での定義とされています。


発達障害においては、医学・教育・法律などの独自の「基準や定義」が存在して、障害かどうかは「基準や定義」に当てはまるかどうかで決まります。

対象が確定してはじめて、教育や福祉などの「社会サービスの受給」が決定されます。

「基準や定義」の明確化は、本人や家族にとって重要なテーマです。



発達障害の「未熟性」と「障害」




発達障害は発達期に現れる障害とされています。

発達期はさまざまなことを学習する時期でもあり、「未熟」な状態でもあります。

発達障害は、「障害」と「未熟」の区分けがつきにくいです。

当初は障害と思われていたものが、成長と共に学習が進み、障害とはいえなくなることがあります。

(例)

3歳で自閉スペクトラム症(ASD)

6歳で注意欠如・多動症(ADHD)

10歳で限局性学習症

16歳で「発達障害はない」

上記のように一人の子どもへの診断名が変わることは、発達障害では決してまれではありません。


このような現象は、障害程度が軽い子の受診機会が増すにつれ、増加しています。

障害が軽ければ軽いほど、「未熟」と「障害」の見極めがつけれず、発達障害の診断は難しいのです。

一人ひとりの子どもの発達は「個性」です。

障害にこだわりすぎると、子どものよいところや、教えなくてはいけないことなどを見失う可能性もあります。

発達障害の診断名にこだわらず、子どもと接していくことが大切です。



発達障害の種類・症状について




発達障害と診断される、症状についてまとめました。

「自閉スペクトラム症(ASD)」

「スペクトラム」とは、色ごとに明確な境界線を引くことができない虹の色に似て、重症から軽症の人まで連続しているという意味です。

下記の2つによって診断されます。

①社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害

人として求められる「社会性」や「情緒的」な交流に問題があったり、眼差しやジェスチャーなど言語を使わないコミュニケーションができにくい、他者との年齢相応の関係がもてないなどがある。

(例)
・自分が思ったことを口に出して言ってしまうので、無意識に友だちを傷つけてしまう

・その場の雰囲気や空気を読めない

・人の気持ちや意図を読み取るのが苦手


②限定された反復する行動・興味・活動

同じことばかりを繰り返す、日常生活で融通が利かない、言語・非言語に現れる儀式的な行動パターンなど。

強いこだわりがあったり、感覚の過敏性や鈍感性などが特徴とされる。

(例)
・食事するとき、食べる順番は必ず決まっている

・同じ洋服しか着ない

・同じ道順しか通れない



「コミュニケーション症群」

コミュニケーション症群とは、ことばの発達の問題を中心とするものです。

社会的コミュニケーションに問題があり、ことばの理解はできるが表現ができない人、もしくは理解・表現どちらにも問題をもつ人などのタイプがあります。



「注意欠如・多動症(ADHD)」

注意欠如・多動症(ADHD)は下記の診断基準があります。

①不注意の症状が6つ以上、6か月以上持続

・細やかな注意ができずケアレスミスをしやすい

・注意の持続が困難

・注意散漫

・指示に従えない

・課題や活動を整理することができない

・根気に欠ける

・忘れ物が多い

・外部刺激に気が散る

などが基準としてあげられます。


②多動性および衝動性の症状が6つ以上、6か月以上持続

・着席中手足をそわそわする

・着席できない

・走り回る

・静かに遊べない

・「突き動かされるように」じっとしていられない

・多弁

・質問を聞き終わる前に答える

・順番待ちが苦手

・他の人を攻撃したり割り込んだりする

不注意、多動性・衝動性のいくつかは12歳まで存在し、それらが二つ以上の場所で現れることも考慮されます。




「限局性学習症」

限局性学習症とは、「読み」・「書き」・「算数」の特異的な障害をいいます。

全般的な詩的障害は伴わず、限局性学習症の有無や内容を調べる必要があります。

その結果、限局性学習症がある場合には、個別の指導プログラムを作成・実行する必要があります。



「運動症群」

運動症群には「チック症」・「常同運動症」とともに、「発達性協調運動症」が含まれます。

「発達性協調運動症」とは、はっきりとした麻痺などはないが、日常の生活を営むうえで体の動きに問題がある場合をいいます。

(例)
・中間姿勢が取れない

・急に止まれない

・鉄棒や縄跳びができない

・バランスが悪い

・手先が不器用

本人は「わかってはいるけれど、できない」という状態で、意欲や自信が奪われてしまいます。

子どもの状態をよく見ながら、決められた時間内に課題ができないなどの場合には、本人に合わせて工夫しながら支援する必要があります。



発達はその子の個性




発達障害についてまとめましたが、発育の中でその子の行動や考え方は変わってきます。

人間誰もが「得意なこと」・「苦手なこと」があります。

できないからダメではなく、できない自分でもいいんです。

それが自分やその子の「個性」だと受け止めてほしいし、周りの人たちも「発達障害」について理解を深めてほしいと思います。