![実は「自然分娩」の種類は豊富!自分に合ったお産スタイルを見つけよう](http://karahuru5.com/wp-content/uploads/2020/05/270660_s.jpg)
出産を控えると、産婦人科の先生から、どんな分娩方法がいいのか・どのような環境で出産したいかなど「バースプラン」を聞かれます。
特に初めての出産であれば、どんな分娩方法がいいのか悩みますね。
出産方法はたくさんあって、一般的な「自然分娩」、最近だと「無痛分娩」という言葉もよく聞くのではないでしょうか?
今回は「自然分娩」の「メリット・デメリット」や「種類」などを紹介していきたいと思います。
バースプランってなに?
バースプランとは「出産計画」のこと。
出産は計画通りにいかないことが多いのですが、出産から退院するまで、どのように過ごしたいか、どんな産み方をしたいかを事前に計画します。
バースプランがあることで、助産師さんとの情報交換やコミュニケーションがとれ、相互理解を深めることができます。バースプランに対応していない病院もあるので、希望する場合は確認が必要です。
バースプランを描くことで、出産への気持ちを一緒に高めることもできます。夫婦や家族で考えるのもいいですね。
ちなみに、私は「主人の立ち合い出産」と「ソフロロジー分娩法」と「カンガルーケア」を希望しました。
自然分娩ってどういうもの?
そもそも「分娩」は「分娩=生理現象のひとつであり、肉体的な痛みの他に苦痛はない」と考えられています。
苦痛はないっと言っても、テレビのドキュメンタリーやドラマなどで出産場面を見ると「ものすごく痛いイメージ」がありませんか?
「スイカが鼻から出る感じ」なんていう意見も聞いたことがあります。想像するだけで怖くなりますよね。
「自然分娩」を説明すると、「経腟分娩」で医療介入をせずに、自然の流れに沿った出産のことをいいます。※「経膣分娩」とは膣を通じて胎児を出産すること
「無痛分娩」も「経膣分娩」のひとつですが、麻酔を使用するという医療介入があるため「自然分娩」ではありません。
そして「自然分娩」は、全ての妊婦さんができるわけではなく、逆子や双子などの多胎妊娠は、母体や赤ちゃんのリスクを回避するため、帝王切開になることが多いです。
「自然分娩」を予定していても、お産の状況によっては「緊急帝王切開」になるケースもあります。
自然分娩のメリット・デメリット
どんなお産でも「メリット・デメリット」があります。自然分娩ではどのようなものがあるのでしょうか。
メリット
①産後の回復が早い
帝王切開に比べると、産後の体力が回復しやすいです。産後のエクササイズや骨盤矯正を開始できる時期も早くなります。個人差がありますが、エクササイズは産後すぐに開始でき、骨盤矯正は産後1ヶ月から可能です。
②立ち合い出産ができる
病院にもよりますが立会出産ができます。ご主人・家族と一緒に赤ちゃんを迎えたいと考えている方におすすめです。
③出産費用が安くすむ
「帝王切開」や「無痛分娩」に比べて、麻酔など医療行為を行う必要がないので、費用が安く済みます。また「帝王切開」の場合は入院期間も長いため、入院費もかかります。
④出産した!!という気持ちになる
自然分娩は、陣痛に耐え抜いて出産をします。出産方法の中で1番「赤ちゃんを産んだ!」という感覚が強くなります。また、産んだ後すぐに赤ちゃんを抱っこすることができ、※カンガルーケアも可能です。
※生まれて間もない赤ちゃんを母親の素肌に密着させ、保温する方法
デメリット
①陣痛の「痛み」がある
「帝王切開」や「無痛分娩」は麻酔をする時や、産後の「痛み」がありますが、自然分娩は陣痛が始まってから出産までの数時間「痛み」を伴います。
しかし、不思議なことに多くのお母さんは「赤ちゃんに会えた喜びで、出産の痛みは忘れてしまった」と言う意見も。だから2人、3人と出産していけるのかもしれません。
②いつ生まれるかわからない
自然分娩での出産は、赤ちゃんが出てきたい時や自然の流れに任せます。なので、はっきりとした出産日がわからず、予定が立てられません。
小さいお子さんがいる家庭では、子どもを預けたり、協力してくれる人がいないと困ります。
また、陣痛がきてから出産にかかる時間は、初産婦で12~20時間、経産婦は6時間前後かかることが多いようです。
③万が一の場合のケアが遅れることも
これは自然分娩に限らず、出産は何が起こるかわからないものです。
陣痛から出産にかけてスムーズにお産が進まなかったり、赤ちゃんの首にへその緒が巻き付いていたりなどのトラブルが生じた場合に、大きな病院へ搬送されるよう制度が整っている病院・産院を選んでおきましょう。
自然分娩の種類とは?
「自然分娩」の方法はたくさんありますが、今回は5つ紹介します。
①ラマーズ分娩法
ラマーズ法は、フランス人の産科医ラマーズが世界中に広めた分娩方法で、1960年代後半に日本に紹介されました。
「ヒッ・ヒッ・フー」という呼吸方法は1度は聞いたことがありませんか?
身心の緊張を解いて、力を入れず、可能な限り自然の子宮収縮で分娩を行う方法です。
出産が始まると産道が開く痛みによって、ママの身体はこわばります。ラマーズ法の「呼吸方法」で緊張した筋肉をほぐし、リラックスできるとされています。
☆体験者の意見☆
・呼吸に意識を集中できたので、痛みを感じにくかった
・きちんと出来れば、とても有効な方法だと思う。でも陣痛の中、自分の力だけで呼吸法をするには事前にかなり練習をしておかないと難しい
・陣痛が和らいだ気がする。呼吸をすることに集中すると楽になる。いきみを逃すのにもかなり役立った。後で後悔したのはちゃんと練習しなかったこと
出産前に呼吸法を練習しておいた方がスムーズに出来そうですね。
②座位分娩法
座位分娩は、その名前の通り、座った姿勢で出産する方法です。脚を軽く開いてしゃがむ姿勢になります。
仰向けでの分娩よりも、座位分娩はお腹に力が入りやすく、いきみやすい。
また身体の真下に子宮口がくるので、赤ちゃんが重力に従って子宮口から出ることで、出産時間が短縮される効果も期待できます。
分娩時間が短縮されることで、産後の回復が早くなることもあるのです。
出産の時間が短いほど、赤ちゃんの体力の消耗を減らす効果も期待できますね。
③ソフロロジー分娩法
ソフロロジーとは、フランスで始まった出産方法で、リラックスできる音楽を聴きながらエクササイズやイメージトレーニングをすることで、出産に対する「不安」や「怖い」という気持ちを軽くし、前向きな気持ちでお産ができるようにしていきます。
陣痛を痛みではなく、リラックスした状態で受け入れ、赤ちゃんとともにお産を乗り越えようとします。
妊娠中から呼吸法や、ヨガや瞑想などのイメージトレーニングをしたり、母親学級でしっかりと講習を受けておくことが大切です。
☆体験者の意見☆
・赤ちゃんがピンク色で産まれて来た(仮死状態などを防げる)
・陣痛も分娩時も、リラックスして臨めた。すごく静かだった。安産だったこともあり、こんなに楽でいいのかと思い産んですぐに、もう一人赤ちゃんが欲しいと思った。
・出産前、産院のソフロロジー式呼吸法の教室で「陣痛のとき、痛いのはお母さんだけではなく、赤ちゃんも痛いんだ。小さな赤ちゃんも全身で頑張ってるんだ」という言葉を聞いていたので、陣痛の間、赤ちゃんも頑張ってると思うと、自然と痛みにも耐えられた。赤ちゃんと一緒に頑張った感じで、とても良かった。
・分娩台にあがったら正直なところソフロロジーどころではなかったので、いいか悪いかわからない
この分娩方法もイメージトレーニングが必要なので、事前の準備が大切になります。
④フリースタイル分娩法
フリースタイル分娩は、出産する場所・姿勢を自由に決められる分娩方法です。
(例)
・入院室内の畳の上
・立ったままの姿勢や四つんばい
・膝立ち・横向き
・家族、旦那さんに身体を支えてもう
分娩台に寝て出産する場合、受け身の姿勢になってしまうのですが、フリースタイルならお産に集中しやすいです。
「自分らしく産みたい」というお母さんの意欲は赤ちゃんにも伝わり、精神的に安定感が出て全身の血液循環も向上するといわれています。
フリースタイル分娩はおもに助産院で取り入れられていて、病院では対応していないことが多いようです。
⑤水中分娩法
水中出産とは、その名の通り「水の中で出産」することです。
フランスやイギリスなどの欧州で普及している出産方法で、日本では「長谷川潤さん」や「道端カレンさん」などが水中出産を実践したことが話題になり、注目度は高まってきています。
出産方法は、1~2人が入れるくらいの小さなプールに、体温と同じくらいの温度(37℃前後)のぬるま湯をはります。ぬるま湯には、羊水と同程度の塩分濃度になるように自然塩を溶かしてあります。
メリット
・お湯に浸かりながら出産することで、心と身体をリラックスさせ、陣痛の痛みを和らげる
・赤ちゃんが生まれた時、乾燥した外の世界に出るよりも、水中に出る方がストレスが少ない
・産道を通るときの「摩擦」も少ないので、赤ちゃんの負担が軽減される
ドイツの統計によると、水中分娩の※会陰切開の割合は、普通分娩の半分になるというデータがあります。
※会陰切開とは、分娩時に会陰(腟の出口と肛門の間)が避けて、肛門や直腸まで裂けてしまう「会陰裂傷」をおこさないように、会陰を切る処置
ただし水中分娩は、早産・逆子・多胎妊娠(双子や三つ子)の場合は対応できません。
対応している産院は少ないですが、赤ちゃんのストレスが少なく、「会陰切開」が防げるのであれば魅力を感じますね。
自分に合った出産方法を…
私は可能な限り「自然分娩」で産むのが望ましいと考えています。理由の1つとして「赤ちゃんの意志を尊重」したいというと思いがあるからです。
赤ちゃん自身が、自分の意志で「そろそろ子宮も狭いし、外の世界に出たいな」と思った時、子宮と協力して「陣痛」を起こします。
まだ産まれたくなかったのに、医療介入で出産した場合「自分の意見は尊重されず無視されている」と感じてしまう子が多いと言われています。
ただし、医療介入があった場合でも、そのあと赤ちゃんとの関わり方で取り戻すことが可能なので、心配しなくても大丈夫!!
赤ちゃんが無事に産まれてくることが1番です。
今回は「自然分娩」を紹介しましたが、最近増えてきている「無痛分娩」や「計画分娩」についても他の記事で紹介しています。
記事を参考にして、自分に合ったお産スタイルを考えてみてください。