「春分の日」は毎年違う?どうやって決めているの?意味や由来を知ろう




冬の寒い日もだんだんと少なくなり、春の気配を感じてくる頃にやってくる「春分の日」。

「この日から春になる日だよ」とお子さんに説明している方もいるかもしれませんが、それは「立春の日」です。

では「春分の日」とは一体どのような日なのでしょうか?

今回は「春分の日」の意味や由来について紹介します。



春分の日の由来は?




「春分の日」は明治11年、太政官布告23号で定められた「春季皇霊祭(しゅんきこうりょうさい)」という祭日が始まりです。

「春季皇霊祭」とは、この日に皇室で行われる歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式のことです。

昭和23年7月20日「国民の祝日に関する法律」が制定される時に「春分の日」と改められました。

この法律の制定から春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」国民の祝日とされました。




春分ってどんな日?




季節の節目となる春分ですが、どういうものなのでしょうか。

日本では暦の上で季節の区分をする手法として「二十四節気」というものが使われています。元々は中国で使われていた季節の区分法で、日本では江戸時代の頃に暦に取り入れられました。

「春分」は二十四節気でいうと「立春」から始まる季節の節目の4番目の節目昼と夜の長さがほぼ等しくなる日とされています。





そして、「春分の日」は太陽の通り道の黄道と天の赤道の交点である「春分点」を通過した日の事をいうため、日付はその年によって違います。

通例、3月20日から3月21日のどちらかが「春分の日」になります。




春分の日はいつ決まるの?




法律上での春分の日は「春分点を太陽が通過する日」となっており、実は日付を指定していません。

その年ごとの春分の日を決めるのは、国立天文台が観測した最新データである「暦象年表」が届いてから。これに基づいて「春分の日」と「秋分の日」を確定し、2月1日に公布されます。

例えば、2020年の春分の日(及び秋分の日)は、2019年の2月に正式に日付が公布さるということです。

つまり2019年1月までは日付は未確定だったというわけです。

仏教の各派では春分の日に「春季彼岸会」が行われ、宗派を問わず「お墓参り」をする方が多くいます。




お墓参りをする理由は?




元々農村部では、春分の頃に豊作を祈り、秋分の頃に豊作に感謝をする「自然信仰」があります。山の神様である祖先の霊を春分以前に山から里に迎え、秋分以降に里から山へ送る儀式が行われていました。

その後、仏教が浸透してからは真西に極楽浄土があるという仏教の考えにより、彼岸の頃(春分・秋分)は太陽が真東から昇って真西へ沈むことから、此岸(この世)と彼岸(極楽浄土)が通じやすくなると考えられ、先祖供養をするようになったといわれています。




春分の日の食べ物って?




春分の日には、「ぼた餅」を食べます。

ぼた餅に使われている小豆の赤い色には「災害から身を守る効果」があるといわれており、邪気を祓う信仰と先祖供養が結びつき、江戸時代に庶民の間で始まった習慣と考えられています。

ちなみに、この「ぼた餅」=「おはぎ」と同じようなものですよね。

春分の日に食べるのが「ぼた餅」

秋分の日に食べるのが「おはぎ」

と言われていますが、実は全く同じ食べ物です。

春のお彼岸に食べるのは「ぼた餅」

漢字では「牡丹餅」と書き、これは春に咲く花「牡丹」に見立てたためです。

秋に食べる方は「萩」に見立てるので「お萩」と書きます。

ただ…異説もあります。

「こしあん」だと「ぼたもち」、「つぶあん」だと「おはぎ」という説も。

更には春が「おはぎ」、秋が「ぼたもち」とする地方や、どちらも「おはぎ」とする地方もあるなど様々です。

いずれにしても「もち米をあんこで包んだ食べ物」ですので、名前にこだわらず美味しく頂きたいですね。




温かな気持ちで春を迎えよう




近年は昔ほど「自然信仰の行事」などあまり大々的には行われていません。

でも四季がある日本だからこそ、季節の節目を大切にして「自然をたたえ、生物を慈しむ日」また「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」という祝日の趣旨も尊び、日本の伝統行事を大切にしたいですね。

今年は是非、ご家族でお彼岸にはお墓参りに行くなどして、温かな気持ちで新しい春を感じてみてください。